「試用期間中だけど、もう辞めたい…でも何て切り出せばいいか分からない」
「入社して数週間しか経っていないのに退職なんて、非常識だと思われそうで怖い」
「退職理由を正直に言ったら角が立ちそうで、どこまで本音を伝えるべきか悩んでいる」
「気まずい空気の中で残りの出勤日を過ごすのが、想像するだけで苦痛だ」
こんな悩みを抱えていませんか?
試用期間中に「辞めたい」と感じること自体は、決して珍しいことではありません。
入社前のイメージと実際の職場環境にギャップがあったり、社風がどうしても合わなかったりすることは、誰にでも起こり得ることです。
しかし、多くの方がつまずくのは「辞めたい」と思った後の行動
——つまり、いつ・誰に・どう伝えるかという部分でしょう。
伝え方を間違えると、必要以上に気まずい思いをしたり、退職がスムーズに進まなかったりする恐れがあります。
逆に、適切な伝え方を知っていれば、試用期間中の退職でも円満に進められるのです。
この記事では、試用期間中に辞めたい時の伝え方のポイント、角の立たない退職理由の例文5選、そして退職後のキャリアへの影響まで解説していきます。
試用期間中に辞めたいと感じる5つの理由
まず、試用期間中に退職を考える人がどんな理由を抱えているのかを整理しておきましょう。
自分の状況に近いものがあれば、退職を検討すること自体は何もおかしくないと安心してください。
理由①:求人情報や面接で聞いた内容と実態が違う
「残業はほとんどない」と聞いていたのに毎日2時間以上の残業がある、「営業事務」で入社したのに飛び込み営業を任された
——こうしたギャップは、試用期間中の退職理由として最も多いパターンの一つです。
入社前に聞いていた条件と実態が大きく異なる場合、無理に続ける必要はないでしょう。
理由②:職場の人間関係や社風が合わない
仕事内容自体は問題なくても、職場の雰囲気や人間関係がどうしても合わないと感じることがあります。
体育会系の社風になじめない、先輩社員の指導が高圧的で萎縮してしまう
——こうした「合わない」感覚は、時間が経っても改善しにくいものです。
理由③:仕事内容が自分に向いていないと感じた
実際にやってみて初めて「この仕事は自分には向いていない」と分かることがあります。
向いていない仕事を無理に続けても成長が見込みにくく
早めにキャリアの方向転換を検討した方が長い目で見ればプラスになる場合もあるのです。
理由④:研修やサポート体制が不十分
入社後の研修がほとんどなく、いきなり現場に放り出されるケースです。
質問できる雰囲気もなく、一人で抱え込む日々が続くと
「この会社で成長できるのだろうか」という不安が急速に膨らんでいくでしょう。
理由⑤:心身に不調が出始めている
毎朝起きるのがつらい、出社前に体調が悪くなる、眠れない日が増えた
——こうした心身の不調は、見過ごしてはいけないサインです。
健康を犠牲にしてまで続けるべき仕事はありません。
仕事に行きたくない気持ちが続いている方は、仕事に行きたくない時の対処法も確認してみてください。
試用期間中の退職でよくある不安と事実
不安①:「入社してすぐ辞めるのは非常識では?」
試用期間は、会社が社員の適性を見極める期間であると同時に、社員が会社を見極める期間でもあります。
合わないと判断して退職することは、制度の趣旨に沿った行動であり、非常識ではないです。
不安②:「損害賠償を請求されるのでは?」
通常の退職で損害賠償を請求されるケースは極めて稀とされています。
試用期間中であっても、適切な手順を踏んで退職すれば、法的なトラブルに発展する可能性は低いと一般的に言われているのです。
不安③:「次の転職に響くのでは?」
短期離職は確かに次の転職で質問される可能性があります。
しかし、理由を前向きに説明できれば、マイナス評価を最小限に抑えることは十分に可能です。
この点については、後ほどの「退職後のキャリアへの影響」セクションで詳しく触れます。
試用期間中の退職を伝える5つのポイント
ここからが本題です。
試用期間中に退職を伝える際に押さえておくべきポイントを5つ紹介します。
ポイント①:最初に伝える相手は「直属の上司」
退職の意思は、まず直属の上司に伝えるのが基本です。
人事部や他の先輩に先に話してしまうと、上司の耳に間接的に入り、関係がこじれる原因になることがあります。
「少しお時間をいただけますか」と切り出し、個室や会議室など周囲に聞こえない場所で話すのが鉄則です。
退職の切り出し方の基本については、退職の切り出し方も参考になるでしょう。
ポイント②:「相談」ではなく「報告」として伝える
「退職しようか迷っているのですが…」という相談ベースの伝え方は、引き止めの余地を生んでしまいがちです。
退職の意思が固まっているなら、「退職させていただきたいと考えています」と明確に伝える方が、話がスムーズに進むでしょう。
ただし、口調は丁寧に、感謝の気持ちを添えることが大切です。
ポイント③:退職理由は「前向き+簡潔」が鉄則
退職理由を聞かれた場合、会社や上司への不満をそのまま伝えるのはNGです。
「自分の適性やキャリアの方向性を見つめ直した結果」という形で、前向きかつ簡潔に伝えるのが角の立たない方法と言えます。
具体的な例文は、次のセクションで紹介します。
ポイント④:退職日は就業規則を確認した上で提案する
退職を申し出る前に、就業規則で「退職届の提出期限」を確認しておきましょう。
「退職日の2週間前まで」と民法上は定められていますが、就業規則で「1ヶ月前」と定めている会社が一般的です。
可能であれば会社のルールに合わせた退職日を提案するのが、円満退職への近道です。
ポイント⑤:退職届は書面で提出する
口頭で伝えるだけでなく、退職届を書面で提出することで、退職の意思表示が正式な記録として残ります。
退職届の正しい書き方が分からない場合は、退職願・退職届の書き方を事前に確認しておくと安心です。
角の立たない退職理由の例文5選

退職理由は、会社や上司を責める内容ではなく、「自分の事情」として伝えるのがポイントです。
以下に、試用期間中の退職で使いやすい例文を5つ紹介します。
例文①:仕事内容のミスマッチ
「実際に業務に携わる中で、自分のスキルや適性と業務内容の間にギャップを感じました。
このまま続けてもご迷惑をおかけすることになると判断し、退職を決意いたしました。」
例文②:キャリアの方向性を見直した
「入社後に改めて自分のキャリアを考えた結果、別の分野で経験を積みたいという気持ちが強くなりました。
短い期間で大変申し訳ございませんが、退職させていただきたく存じます。」
例文③:家庭の事情
「家庭の事情により、現在の勤務条件での継続が難しくなりました。
ご迷惑をおかけしますが、退職させていただければと考えております。」
例文④:体調面の理由
「入社後、体調面に不安を抱えるようになり、業務を続けることが難しい状況です。
回復に専念するため、退職させていただきたいと考えております。」
例文⑤:労働条件のギャップ
「入社前にお伺いしていた条件と、実際の働き方にいくつか相違がありました。
自分なりに努力してみましたが、改善が難しいと判断し、退職を決意いたしました。」
退職を伝えた後の「気まずさ」を乗り越える方法
試用期間中に退職を伝えた後、最も多くの方が悩むのが「残りの出勤期間の気まずさ」です。
最後まで誠実に仕事をする
退職が決まった後も、最終出勤日までは責任を持って業務に取り組む姿勢が大切です。
「どうせ辞めるから」という態度は、自分自身の評判を下げるだけでなく、同僚にも不快な思いをさせてしまいます。
引き継ぎは可能な範囲で丁寧に
試用期間中であれば、担当業務が少ないケースもあるでしょう。
それでも、自分が担当していた業務の状況を簡単な資料にまとめておくだけでも
「最後まで誠実な人だった」という印象を残せるものです。
感謝の気持ちを言葉にする
短い期間であっても、何かしら学んだことや助けてもらったことはあるはずです。
退職前に、お世話になった方に一言感謝を伝えるだけで、気まずさは大きく和らぎます。
円満退職のコツについては、円満退職のコツにまとめてありますので、目を通しておくとよいでしょう。
退職後のキャリアへの影響と対策
試用期間中の退職は履歴書に書くべきか?
原則として、社会保険に加入した記録がある場合は、履歴書に記載するのが無難です。
記載しなかった場合、後から発覚して虚偽申告として問題になるリスクがあるためです。
ただし、数日〜1週間程度の超短期で、社会保険の加入手続きが完了していなかった場合は、記載しないという判断もあり得るでしょう。
転職面接で短期離職を聞かれた時の答え方
面接で聞かれた場合は、正直かつ前向きに説明することが重要です。
避けるべき回答:
- 「会社がブラックでした」(前職の悪口に聞こえる)
- 「何となく合わなかったので」(軽い印象を与える)
推奨される回答の方向性:
- 「入社後に業務内容のギャップに気づき、早い段階でキャリアを見直す決断をしました」
- 「この経験を踏まえて、今回は業界・職種について十分に調べた上で応募しております」
同じ失敗を繰り返さないための教訓を得たことをアピールするのがポイントです。
転職面接の対策全般については、転職面接でよく聞かれる質問も事前にチェックしておきましょう。
次の転職で失敗しないために
試用期間中に辞めるという経験をしたからこそ、次の転職では企業選びの基準が明確になっているはずです。
- 求人票の情報だけで判断しない
- 面接の逆質問で労働環境の実態を確認する
- 口コミサイトで社風や離職率をリサーチする
- 転職エージェントから企業の内部情報を聞く
次の転職先選びについては、転職先の選び方が役立つでしょう。
どうしても自分で伝えられない場合の選択肢
「退職したいけど、上司が怖くて言い出せない」
「入社したばかりで気まずすぎて、顔を合わせたくない」
——こうした状況にある方は、退職代行サービスの利用を検討するのも一つの方法です。
退職代行サービスを利用すれば、あなたに代わってプロが会社に退職の意思を伝えてくれます。
試用期間中でも利用でき、即日対応が可能なサービスも多いのです。
特に以下のような状況であれば、退職代行の利用を前向きに検討してよいでしょう。
- 上司のパワハラが原因で、直接話すのが精神的に無理
- 退職を伝えたが受理してもらえなかった
- 出社すること自体が心身に大きな負担になっている
- 即日で退職したい
次の職場こそ、自分に合った環境を見つけよう
試用期間中の退職を決めたら、次に考えるべきは「どんな職場なら長く続けられるか」です。
一人で求人を探すのも一つの方法ですが、転職エージェントを活用すれば、企業の社風や実際の労働環境といった求人票には載らない情報を事前に得ることができます。
特に、短期離職の経験がある場合は、エージェントに正直に事情を伝えた上で、ミスマッチの少ない企業を紹介してもらう方が効率的でしょう。
よくある質問(Q&A)
Q. 試用期間中の退職は何日前までに伝えれば大丈夫ですか?
A. 民法上は2週間前とされています。
ただし、会社の就業規則で「1ヶ月前」と定められている場合が一般的ですので
まずは就業規則を確認するのがよいでしょう。
なお、入社14日以内であれば、より短い期間での退職が可能なケースもあるようです。
Q. 試用期間中に辞めたら給料はもらえますか?
A. 働いた分の給料は必ず支払われます。
試用期間中であっても、労働の対価として給料を受け取る権利があるのです。
万が一、給料が支払われない場合は、労働基準監督署に相談することを検討してみてください。
Q. 退職を伝えたら引き止められそうで怖いです。どうすれば?
A. 「退職の意思は固まっています」と一貫した態度を保つことが大切です。
引き止めに対する具体的な断り方は、退職引き止めの断り方に詳しくまとめてありますので、事前に目を通しておくと安心です。
Q. 試用期間中の退職は、失業保険の対象になりますか?
A. 雇用保険に12ヶ月以上加入していた実績があれば(過去2年間で)、対象になる場合があります。
ただし、試用期間中の短期退職のみでは条件を満たさないケースが多いため、前職の加入期間と通算できるかを確認するとよいでしょう。
失業保険の受け方については、失業保険の受け方をご確認ください。
Q. メールやLINEで退職を伝えてもいいですか?
A. 対面で伝えるのが原則ですが、難しい場合はメールや電話でも問題ありません。
退職を非対面で伝える方法については、退職を電話やメールで伝える方法でまとめています。
おわりに

試用期間中に「辞めたい」と感じるのは、自分が弱いからでも、非常識だからでもありません。
合わない環境に早く気づけたことは、キャリアにとってむしろ前向きな判断と言えるのです。
今回のポイントを振り返ります:
- 退職は直属の上司に、個室で、「報告」として伝える
- 退職理由は前職の不満ではなく、「自分の事情」として簡潔にまとめる
- 残りの出勤期間も誠実に仕事をし、感謝の気持ちを伝えて退職する
- 履歴書への記載は社会保険の加入状況で判断する
- 次の転職では、今回の経験を教訓にして企業選びの基準を見直す
- どうしても言い出せない場合は、退職代行という選択肢もある
試用期間は、会社とあなた、お互いにとっての「見極め期間」です。
合わないと分かったら、早い段階で次のステップに進む方が、あなたのキャリアにとってプラスになるでしょう。
あなたが自分に合った職場で、安心して働ける日が来ることを応援しています。
【免責事項】
本記事は、退職・転職に関する一般的な情報をまとめたものです。
退職に関する取り扱いは個人の状況や会社の規定によって異なります。
退職に関する重要な判断は、ご自身の責任で行ってください。
本記事の内容を参考にした結果について、当サイトは一切の責任を負いかねます。
