**「有給を申請したら『人手不足だから無理』と断られた。これって違法じゃないの?」**
**「上司に有給を申請しづらい雰囲気があって、そもそも申請できていない」**
**「会社に有給を断られた。どうやって対処すればいいかわからない」**
**「人手不足を理由に有給を取れないのが当たり前になっていて、もう限界かもしれない」**
こんな状況に悩んでいませんか?
結論から言います。「人手不足」を理由に有給休暇を断ることは、法律違反になります。
有給休暇は労働者に与えられた法律上の権利であり、会社側が「あげる・あげない」を判断できるものではありません。
この記事では、有給を断られた場合の法的な根拠と、具体的な5つの対処法を解説します。
これを読めば、有給休暇を正しく申請する方法と、万が一の場合の相談先が明確になるはずです。
📌 こんな方におすすめ
- M&A業界への転職を考えている20代後半〜30代前半の方
- コンサル・金融・事業会社からキャリアチェンジしたい方
- M&A専門のキャリアアドバイザーに無料相談したい方
「人手不足だから有給は取れない」は法律違反になる
そもそも「人手不足を理由に有給を断れる」という考え方自体が、法律上は認められていません。
この前提を正確に理解することが、有給取得を正しく主張するための第一歩です。
有給休暇は、会社が「あげる」ものではない
有給休暇(年次有給休暇)は、**労働基準法第39条**で定められた「労働者の権利」です。
入社から6ヶ月が経過し、全労働日の8割以上を出勤した場合、最低10日間の有給休暇が自動的に付与されます。
「会社が認めれば取れる」「上司が許可してくれたら使える」というものではなく、法律上当然に発生する権利です。
有給取得を申請した場合、会社側には原則として拒否する権限はありません。
これは正社員だけでなく、一定条件を満たしたパートタイム労働者や派遣社員にも同様に適用される権利です。
「人手不足」は拒否の正当な理由にならない
「今は人が足りないから有給を取られると困る」という理由で有給申請を拒否することは、**労働基準法違反**になります。
有給休暇の取得は、申請さえすれば認められるのが原則です。
会社側が「拒否できる」唯一の手段は、後述する「時季変更権」の行使のみです。
「人手不足」「繁忙期」「自分の代わりがいない」などの理由は、時季変更権の正当な行使理由にはなりません。
→ 有給休暇を断られた時の対処法でより詳しく解説しています。
会社が合法的にできるのは「時季変更」だけ
会社が有給休暇の申請に対してできる唯一の合法的な対応は、「時季変更権の行使」です。
時季変更権とは、「その日は事業の正常な運営を妨げる場合に限り、別の日に変更するよう求める権利」のことです(労働基準法第39条5項)。
時季変更権が認められるケースは非常に限られており、「業務が忙しい」「代替要員がいない」という理由だけでは認められないとされています。
また、退職日が決まっている場合など、時季変更が事実上できない状況では、時季変更権自体を行使できないという解釈が一般的です。
会社が「有給は認めない」と言ってくる場合、それは法律違反の可能性が高いため、後述する対処法で対応しましょう。
「うちの会社は人手不足だから仕方がない」と自分に言い聞かせてあきらめてきた人も、法的に見ればその権利は守られています。
よくある「有給を断られる」3つのパターン
有給を断られるパターンは、大きく3つに分けられます。
自分がどのパターンに当てはまるかを確認して、それに応じた対処法を選びましょう。
パターン①:口頭で「今は無理」と言われるケース
上司に有給申請を口頭で伝えたところ、「今は人が少ないから無理」「忙しい時期だから我慢して」と言われてしまうパターンです。
これが最も多いケースですが、口頭での拒否は法律上の根拠がありません。
このパターンで大切なのは、「書面での申請」に切り替えることです。
口頭での申請は後から「言った・言わない」になりやすいため、メールや書面で申請しましょう。
書面で申請しても拒否される場合は、次のステップへ進みます。
上司が直属の場合、相談しにくいこともあるかもしれません。その場合は、人事部や総務部への申請ルートを確認しておくとスムーズです。
パターン②:申請しても却下・無視されるケース
書面やメールで有給申請を提出したにもかかわらず、会社側が何も返答しない、または「却下」と伝えてくるパターンです。
この場合、会社は明確に法律違反をしている可能性が高い状況です。
書面での申請と会社の対応(返信メール、却下通知など)を記録しておきましょう。
申請の記録・証拠は、労基署への申告や法的措置を取る際に非常に有効です。後から「申請していた事実がない」と言われないための備えです。
有給の取得を拒否する行為は労働基準法第39条の違反であり、会社には6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金が科せられる可能性があります(同法第119条)。
パターン③:雰囲気で申請を諦めてしまうケース
「有給を取りにくい職場の空気がある」「申請すると嫌な顔をされる」「有給を取るのは気まずい」と感じて、そもそも申請できていないパターンです。
法律違反の「拒否」ではなく、職場の雰囲気による「自己抑制」が原因です。
こうした職場環境も、実質的には労働者の権利を侵害していると言える状況です。
まず書面でしっかり申請することで、権利の行使を「見える化」することが大切です。
それでも改善されない場合は、職場環境そのものを変える(転職する)という選択肢も現実的です。
「有給を気兼ねなく取れる職場に転職したい」という希望を転職エージェントに伝えることで、ホワイト企業への転職を目指せます。
参考:退職前にやること50選【時期別チェックリスト】も転職準備の参考にどうぞ。
また、退職代行サービスを使えば、有給消化の交渉も含めて専門家に任せることができます。
有給を断られた時の5つの対処法

有給を断られた場合、以下の5つのステップで対処しましょう。
順番に試していくことで、多くのケースで解決の糸口が見つかります。
対処法①:書面・メールで申請して記録を残す
口頭での申請から書面・メールでの申請に切り替えましょう。
書面での申請は「権利行使の事実」を記録に残すことができ、後のトラブル時の証拠になります。
メール申請の際は、「〇月〇日に有給取得を申請しました」という文面で上司と人事部の両方に送ると確実です。
会社から「却下した」という返信が来た場合も、その記録を保存しておきましょう。
この記録があることで、後のステップ(労基署への相談など)がスムーズに進みます。
対処法②:就業規則と労働条件通知書を確認する
会社の就業規則に有給休暇に関する規定がどう書かれているか確認しましょう。
就業規則は、会社に「開示請求」することができます(労働基準法第106条)。
「有給は申請すれば必ず取れる」旨の規定があれば、会社の拒否が明確に規則違反であることを会社側に伝えられます。
また、入社時に渡された労働条件通知書(雇用契約書)に有給休暇に関する記載がある場合も確認しましょう。
対処法③:上司ではなく人事部・総務に相談する
上司が有給申請を受け付けてくれない場合は、直接人事部・総務部に相談する方法があります。
「上司に申請したところ、人手不足を理由に断られました。有給取得を正式に申請したいのですが、どうすれば良いですか?」と問い合わせましょう。
人事部側は法令遵守の観点から対応せざるを得ないため、上司への直接交渉よりも解決しやすいことがあります。
この相談のやり取りもメールで行い、記録を残しておくことをおすすめします。
それでも解決しない場合は、外部への相談(労基署・弁護士・ユニオン)へと進みます。
対処法④:労働基準監督署に相談する
社内での解決が難しい場合は、労働基準監督署(労基署)への相談を検討しましょう。
持参するものの例:有給申請のメール・書面、会社からの却下通知、タイムカードや出勤記録、就業規則のコピー。
労基署は「申告書」を提出することで、会社への調査・是正勧告を求めることができます。
相談は無料で、証拠がない場合でも相談自体は可能です。
「有給を取るな」「認めない」と言われた場合、その発言をスマートフォンで録音しておきましょう。
録音の他にも、スマートフォンのメモアプリや手帳に「いつ・誰に・何を言われたか」を日時付きで記録しておくと、後の証拠として有効です。
対処法⑤:環境ごと変える——転職・退職を検討する
有給休暇を取れない状況が改善されない場合、その職場環境を「変える」という選択肢が現実的になります。
法律違反を続ける会社は、他の待遇面でも問題がある場合が少なくありません。
有給を取れないということは、残業代の未払い・人間関係の問題・長時間労働など、他のブラックな要素が重なっていることも多いです。
精神的にも体力的にも限界が近い場合は、無理に残るよりも早めに転職・退職を検討した方が、トータルで見てプラスになることが多いです。
在職中から転職エージェントに登録しておけば、現職の状況をプロに相談しながら転職活動を進められます。
退職を切り出しにくい、引き止められている場合は、退職代行サービスに相談するのも一つの方法です。
Q&A
Q1. 「有給を取るな」と言われた。証明するにはどうすればいい?
**A. 録音・メール・書面のやり取りを残すことが最も有効です。**
上司から「有給を取るな」「認めない」と言われた場合、その発言をスマートフォンで録音しておきましょう。
本人が関与している会話の録音は違法にはなりません。
また、書面やメールで申請し、却下の返信をもらうことでも、有給拒否の事実を証拠として残せます。
これらの証拠は、労基署への相談時や法的措置を取る際に有効に機能します。
Q2. 申請したら嫌がらせを受けそうで怖い。どうしたらいい?
**A. まず人事部や労基署への相談ルートを確保しておくことが重要です。**
有給申請を理由とした嫌がらせや報復は、パワーハラスメントに該当する可能性があります。
いつ・誰から・どんな扱いを受けたかをメモしておき、状況が悪化した場合に備えましょう。
社内の解決が難しい場合は、労働局の「個別労働紛争のあっせん」や弁護士への相談も選択肢です。
精神的に追い詰められているなら、退職代行を使って早めに職場を離れることも、自分を守る選択肢の一つです。
Q3. 有給が消滅しそう。退職前に使い切ることはできる?
**A. 退職前の有給消化は権利として認められています。**
退職日までに残っている有給休暇は、退職前にまとめて取得することができます。
会社側が「退職前は有給を使わせない」と言ってくることがありますが、これも法律違反です。
退職前の有給消化については、退職前の有給消化の進め方で詳しく解説しています。
おわりに

「人手不足だから有給は取れない」というのは、法律違反です。
有給休暇はあなたの権利であり、会社が「あげない」と決められるものではありません。
まずは書面での申請、次に人事部・労基署への相談という順番で対処し、それでも改善されなければ転職・退職という選択肢も前向きに検討してください。
一人で我慢し続けることが、必ずしも正解ではありません。
転職活動は、今の会社を辞める前から始めることができます。
→ 在職中の転職活動を会社にバレずに進める方法も参考にしてください。
退職を言い出せない場合は、退職代行に相談することで会社との直接のやり取りなしに退職手続きを進めることも可能です。
有給を取れずに消耗し続けることは、精神的にも体力的にもリスクが大きいです。
自分の権利をしっかり主張し、それでも状況が変わらないなら、次のステップへと踏み出しましょう。
**有給休暇を堂々と取れる職場で働くことは、決して贅沢ではありません。あなたの権利を守りながら、より良い職場環境を手に入れることを応援しています。**
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【免責事項】
本記事は、有給休暇に関する一般的な情報をまとめたものです。
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