「人手不足だから有給は取れないと言われた…」
「申請したのに無視されている。これって普通なの?」
「忙しいからと毎回断られて、もう何年も有給を使えていない」
「会社に文句を言いたいけど、どこに相談すればいいか分からない」
こんな悩みを抱えていませんか?
「人手不足だから仕方ない」
「みんな取っていないし、自分だけ我慢するしかない」
そう思い込んでいませんか?
でも、それは間違いです。
実は、人手不足を理由に有給を断ることは、法律上原則として認められていません。
大丈夫です。正しい手順を踏めば、有給を取り戻すことはできます。
この記事では、有給拒否が違法になる根拠、よくある断られパターン、そして実際に使える5つの対処法を解説します。
これを読めば、会社への正しい伝え方と、取るべき行動の順番が明確になるでしょう。
「人手不足だから有給は取れない」は法律違反になる
有給休暇は、会社が「あげる」ものではない
まず、最初に知っておいてほしいことがあります。
有給休暇は、会社が「あげる」ものではありません。
労働基準法第39条によって、一定の要件を満たした労働者に当然に発生する権利です。
週5日以上勤務の場合、入社6カ月後から10日、以降は勤続年数に応じて最大20日まで付与されます。
2019年の法改正以降は、年10日以上の有給が付与される労働者には、年5日以上取得させることが会社に義務付けられています。
つまり、会社には「あげない」という選択肢は本来ないのです。
有給が取れない状態が続いているなら、会社が法律上の義務を果たしていない可能性があります。
あわせて有給休暇が取れない時の対処法5選も確認しておくと、基礎知識がより整理できるでしょう。
「人手不足」は拒否の正当な理由にならない
「今は忙しいから」「人がいないから」という理由は、法律上の有給拒否理由として認められていません。
そもそも人手不足は、会社側の経営上の問題です。
採用を怠った結果を、労働者の権利侵害で補填しようとするのはおかしい。
厚生労働省も、有給取得の妨害は労働基準法違反となり得ると明示しています。
「みんな取れていないから仕方ない」
その言葉に、もう従う必要はないのです。
会社が合法的にできるのは「時季変更」だけ
ただし、会社には「時季変更権」という権限が認められています。
「事業の正常な運営を妨げる場合」に限り、取得日を別の日に変更させることができるというものです。
重要なのは、「取得を拒否する」ことは認められていない点です。
「日程を変更する」だけしかできません。
「今年はずっと取れない」「みんなダメ」は、時季変更権の正当な行使に当たりません。
また変更の際は、代替日を示すことが求められます。
よくある「有給を断られる」3つのパターン
パターン①:口頭で「今は無理」と言われるケース
申請書を出す前に「今は忙しいから」と口頭で断られる。
あるいは、空気を察して自分から諦めてしまう。
このパターンの問題点は、記録が残らないことです。
後から「言っていない」と言われるリスクがあります。
また、口頭での断りが繰り返されると「有給は申請してはいけない雰囲気」が定着します。
違法な状況でも表に出にくくなるため、問題が長期化しやすいのです。
パターン②:申請しても却下・無視されるケース
書類やシステムで申請したのに、却下通知が来る。
あるいは何の返事もなく、有給が消化されない。
「承認されていないのに休んだら欠勤になる」と言われることもあります。
申請に対して却下理由を書面で示さずに否決することは、法的に問題のある対応です。
時季変更権を行使するならば、理由と代替日を示すことが求められます。
却下通知は後の証拠になるため、必ず記録を残しておきましょう。
パターン③:雰囲気で申請を諦めてしまうケース
「みんな取っていない」「取ると白い目で見られる」
そんな職場の空気に負けて、自ら申請を諦めてしまうパターンです。
明示的な拒否がなくとも、結果として有給を取れていないなら、実態として権利が侵害されているといえます。
何年も有給を取れないまま消耗し続けているなら、一人で抱え込まなくて大丈夫です。
「もう動く気力もない」という状態まで追い詰められているなら、退職という選択肢もあります。
プロに退職を任せる方法もある、ということを覚えておいてください。
退職代行おすすめサービスはこちらでまとめています。
有給を断られた時の5つの対処法

対処法①:書面・メールで申請して記録を残す
口頭ではなく、書面またはメールで申請しましょう。
なぜかというと、「言った言わない」を防ぐためだけでなく、次のステップに進む根拠として記録が必要になるからです。
申請時に明記すること:
- 使用したい日付・日数
- 申請日
メールなら送信済みフォルダに残します。
紙の申請書ならコピーを手元に保管しましょう。
却下通知が来た場合も必ず保存してください。
理由の記載がない却下・無返答も、それ自体が証拠になります。
対処法②:就業規則と労働条件通知書を確認する
自分に付与されている有給日数、申請手続き、時季変更権の記載を確認しましょう。
確認すべきポイント:
- 付与されている有給日数は何日か
- 申請手続きはどう定められているか
- 有給の繰り越しルールはどうなっているか
就業規則が労働基準法の基準を下回っている場合は、法律が優先されます。
「うちの会社はこう決まっている」は、法律違反であれば無効です。
退職時の有給消化の権利と交渉術では、有給を使って退職する際の交渉方法も解説しています。
自分の権利の全体像を把握しておきたい方はあわせて確認してください。
対処法③:上司ではなく人事部・総務に相談する
上司に断られた後、同じ上司に再度お願いするのは得策ではありません。
次のステップとして、人事部門・総務部門に相談しましょう。
人事・総務は法令遵守の観点から動くことが多く、上司個人の都合よりも会社全体のリスク管理を重視します。
相談の際に伝えること:
- いつ・どのような理由で断られたか(具体的に)
- 会社が労働基準法違反になる可能性があること
感情的に訴えるより、事実を淡々と説明する方が対応を引き出しやすいでしょう。
上司が問題の一部であるケースが多いため、同じルートで訴えても改善しにくいのです。
対処法④:労働基準監督署に相談する
社内での解決が難しければ、外部機関への相談を検討しましょう。
労働基準監督署は誰でも無料で相談でき、会社への調査・指導が行われることもあります。
相談時に持参すると有効なもの:
- 有給申請の記録(書面・メールのコピー)
- 却下通知・申請記録
- 就業規則・雇用契約書のコピー
- タイムカードなど勤務記録
匿名で相談できる窓口もあるため、会社に知られることを恐れている方でも利用できます。
「相談したら報復される」という恐れがある場合も、その行為自体が違法です。
過度に心配する必要はありません。
労働基準監督署への相談方法では、実際の相談の流れや準備書類を解説しています。
対処法⑤:環境ごと変える——転職・退職を検討する
社内相談も外部申告も行ったのに状況が変わらない。
そうなら、環境そのものを変えることを考えていい段階です。
有給を取れない職場は、長時間労働・サービス残業・ハラスメントなど他の問題も抱えていることが少なくありません。
「有給を勝ち取ること」より「有給が当然取れる職場に移ること」の方が、長期的には合理的な判断になる場合もあるでしょう。
在職中でも転職活動は始められます。
転職エージェントを使えば、非公開求人へのアクセスや面接対策・条件交渉のサポートまで無料で受けられます。
無料で使える転職エージェントはこちらでまとめています。
ブラック企業から転職する方法も、職場環境に問題を感じている方に参考になるでしょう。
もしも「退職を言い出すこと自体が怖い」「もう限界で動けない」という状態であれば、一人で抱え込まなくて大丈夫です。
退職代行を使えば、上司と直接話すことなく退職手続きを進められます。
退職代行サービスの詳細はこちらで確認してみてください。
退職前にやるべきこと完全チェックリストも、退職を決めた時に役立つ内容です。
Q&A
Q1. 「有給を取るな」と言われた。証明するにはどうすればいい?
A. まず「言われた事実」を記録することから始めましょう。
口頭で言われた日時・発言者・内容を、その場でメモに残してください。
可能なら直後に「先ほどの件について確認です」とメールで送り、記録を作る方法もあります。
証拠が不十分でも、労働基準監督署への相談は可能です。
「証拠が揃ってから動こう」と待ち続けると、時間だけが過ぎていきます。
労働基準監督署への相談方法を参考に、まず一歩踏み出してみましょう。
Q2. 申請したら嫌がらせを受けそうで怖い。どうしたらいい?
A. 嫌がらせや報復は、法律で明確に禁止されています。
申請を理由に降格・減給・シフト削減された場合、それ自体が別の違法行為です。
「何か言われそう」という段階でも、外部窓口への相談は今すぐできます。
一人で抱え込まなくて大丈夫です。
どうしても動けない状態まで追い詰められているなら、退職代行という選択肢もあります。
おわりに

「人手不足だから有給は取れない」
その言葉は、法律に照らせば原則として通りません。
あなたが休む権利は、働いた対価として法律が保障したものです。
会社の都合で消えていいものではありません。
今回のポイントを振り返ります。
- 「人手不足」は有給拒否の法的に有効な理由にならない
- 会社が合法的にできるのは「時季変更」のみ。「拒否」は認められていない
- 申請は書面・メールで行い、記録を残すことが第一歩
- 社内の人事・総務に相談することで、上司を介さず問題を提起できる
- 改善しない場合は、労働基準監督署という外部機関への相談が有効
- 環境が変わらないなら、転職を視野に入れることも合理的な選択肢
あなたが当然の権利を取り戻し、休める職場で自分らしく働ける日が来ることを、心から応援しています。
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【免責事項】
本記事は、有給休暇に関する一般的な情報をまとめたものです。
個人の状況や会社の規定によって、最適な判断は異なります。
有給取得に関する法的な対応の最終判断は、ご自身の責任で行ってください。
本記事の内容を参考にした結果について、当サイトは一切の責任を負いかねます。

