「退職金ってどれくらいもらえるの?」
「退職金の計算方法が分からない」
「退職金をもらえる条件は?」
退職金について、疑問を感じていませんか?
実は、退職金の仕組みを理解しておくことで、将来の資金計画が立てやすくなります。
この記事では、退職金の基礎知識、退職金制度の種類、計算方法、受け取り方、税金、よくあるトラブルまで徹底解説。
退職金を正しく理解して、賢く受け取りましょう。
※この記事は、退職金に関する一般的な情報をまとめたものです。
退職金とは?基本を理解する

退職金の定義
退職金は、退職時に会社から支払われるお金。
正式には「退職手当」や「退職慰労金」と呼ばれます。
特徴:
- 長年の勤務に対する報酬
- 老後資金の一部
- 法律で義務付けられていない(任意)
ポイント: 退職金は法律で定められた制度ではなく、企業が任意で設けている制度です。
退職金がある会社・ない会社
全ての会社に退職金があるわけではない。
退職金制度のある企業:
- 大企業: 約90%
- 中小企業: 約70%
- ベンチャー・スタートアップ: 約30%以下
退職金がない会社も増えています。
理由:
- 資金的な負担
- 給与に上乗せする方針
- 成果主義の導入
退職金の相場
勤続年数と会社規模で大きく変わる。
大企業(1,000人以上)の場合
- 勤続5年: 約50万円〜100万円
- 勤続10年: 約200万円〜300万円
- 勤続20年: 約700万円〜1,000万円
- 勤続30年: 約1,500万円〜2,000万円
中小企業(100人未満)の場合
- 勤続5年: 約30万円〜50万円
- 勤続10年: 約100万円〜150万円
- 勤続20年: 約300万円〜500万円
- 勤続30年: 約800万円〜1,200万円
あくまで目安。
会社の制度によって大きく異なります。
退職金制度の4つの種類
種類1: 退職一時金制度
退職時に一括で受け取る制度。
特徴:
- 最も一般的
- 退職時に全額支給
- 会社が全額負担
メリット:
- まとまった金額を受け取れる
- 住宅ローン返済等に使える
- 税制優遇がある
デメリット:
- 会社の経営状況に左右される
- インフレに弱い
種類2: 企業年金制度(確定給付年金)
退職後、年金形式で受け取る制度。
特徴:
- 毎月一定額を受け取る
- 受給額が決まっている
- 会社が運用リスクを負う
メリット:
- 安定した収入
- 長生きリスクに対応
- 計画的に使える
デメリット:
- まとまったお金が必要な時に不便
- 会社の経営悪化で減額の可能性
種類3: 確定拠出年金(企業型DC)
自分で運用する年金制度。
特徴:
- 会社が掛金を拠出
- 従業員が運用
- 運用結果で受給額が変わる
メリット:
- 自分で運用できる
- 転職時に持ち運びできる
- 税制優遇がある
デメリット:
- 運用次第で減る可能性
- 投資知識が必要
- 原則60歳まで引き出せない
種類4: 中小企業退職金共済(中退共)
中小企業向けの退職金制度。
特徴:
- 国の制度
- 掛金の一部を国が助成
- 外部機関が管理
メリット:
- 会社の経営状況に左右されない
- 税制優遇がある
- 転職時に通算できる場合も
デメリット:
- 掛金の上限がある
- 受給額が比較的少ない
退職金の計算方法
ここでは一例を交えて紹介します。

計算式1: 基本給連動方式
基本給をベースに計算。
計算式:
退職金 = 基本給 × 勤続年数 × 給付率
例:
- 基本給: 30万円
- 勤続年数: 20年
- 給付率: 1.5
- 退職金 = 30万円 × 20年 × 1.5 = 900万円
※ あくまで計算例です。
実際の給付率は会社によって異なります。
計算式2: 定額方式
勤続年数に応じて定額を支給。
例:
- 勤続5年未満: 10万円/年
- 勤続5年〜10年: 15万円/年
- 勤続10年〜20年: 20万円/年
- 勤続20年以上: 25万円/年
勤続15年の場合:
- 5年×10万円 + 5年×15万円 + 5年×20万円 = 225万円
計算式3: ポイント制
勤続年数、役職、評価でポイントを付与。
ポイント例:
- 勤続1年: 10ポイント
- 課長: 5ポイント/年
- 部長: 10ポイント/年
- 評価S: 5ポイント/年
ポイント単価:
- 1ポイント = 1万円
勤続10年、課長5年、評価平均Bの場合:
- (10年×10) + (5年×5) = 125ポイント
- 退職金 = 125万円
退職理由による違い
退職理由で給付率が変わることも。
給付率の例:
- 会社都合: 100%
- 自己都合: 60%〜80%
- 懲戒解雇: 0%〜50%
同じ勤続年数でも、退職理由で金額が大きく変わります。
会社都合退職については、会社都合退職と自己都合退職の違いで詳しく解説しています。
退職金の受け取り方
受け取り方法1: 一時金で受け取る
退職時に一括で受け取る。
メリット:
- まとまったお金が手に入る
- 住宅ローン返済等に使える
- 退職所得控除で税金が安い
- 自由に運用できる
デメリット:
- 使いすぎのリスク
- 一度に使い切る可能性
おすすめな人:
- まとまった支出がある人
- 自分で運用したい人
- 住宅ローンを完済したい人
受け取り方法2: 年金で受け取る
分割で受け取る。
メリット:
- 安定した収入
- 計画的に使える
- 使いすぎを防げる
デメリット:
- 税金が高くなる可能性
- まとまったお金が必要な時に不便
- インフレリスク
おすすめな人:
- 老後の生活費を確保したい人
- 計画的に使いたい人
- 長生きリスクが心配な人
受け取り方法3: 一時金と年金の併用
一部を一時金、残りを年金で受け取る。
メリット:
- 両方のメリットを享受
- 柔軟な資金計画
- 税制面で有利になることも
デメリット:
- 計算が複雑
- 選択を間違えるリスク
おすすめな人:
- バランスを取りたい人
- 両方のメリットが欲しい人
どの受け取り方がお得?
一般的には一時金が有利と言われています。
理由:
- 退職所得控除が大きい
- 税率が低い
- まとまった金額を運用できる
ただし、状況によって異なります。
考慮すべき点:
- 今後の収入予定
- 老後の生活費
- 健康状態
- 家族構成
退職金にかかる税金

退職金は税金が優遇される
退職所得控除があり、税金が安い。
理由:
- 老後資金としての配慮
- 長年の勤務への報酬
- 一時的な所得
退職所得控除の計算方法
勤続年数で控除額が決まる。
勤続20年以下の場合
退職所得控除 = 40万円 × 勤続年数
(80万円に満たない場合は80万円)
例:
- 勤続10年: 40万円 × 10年 = 400万円
勤続20年超の場合
退職所得控除 = 800万円 + 70万円 × (勤続年数 - 20年)
例:
- 勤続30年: 800万円 + 70万円 × 10年 = 1,500万円
課税対象額の計算
退職金から控除額を引いた額の半分が課税対象。
計算式:
課税対象額 = (退職金 - 退職所得控除) ÷ 2
例:
- 退職金: 2,000万円
- 勤続30年(控除: 1,500万円)
- 課税対象額 = (2,000万円 – 1,500万円) ÷ 2 = 250万円
給与所得より大幅に優遇されています。
税額の計算例
課税対象額に税率をかけます。
課税対象額250万円の場合:
- 所得税: 約12万円
- 住民税: 約25万円
- 合計: 約37万円
退職金2,000万円に対して、税金約37万円(約1.85%)
※ この計算は一例です。
実際の税額は所得税率や控除額によって変わります。
詳細は税理士にご相談ください。
退職金を受け取る流れ
ステップ1: 退職金制度の確認
自分の会社の制度を確認。
確認方法:
- 就業規則を見る
- 人事部に問い合わせる
- 退職金規程を確認
確認すべきこと:
- 退職金の有無
- 計算方法
- 支給時期
- 受け取り方法
ステップ2: 退職金の試算
いくらもらえるか計算。
試算方法:
- 人事部に相談
- 退職金規程で計算
- オンライン計算ツール活用
早めに把握して、資金計画を立てましょう。
ステップ3: 退職届の提出
退職の意思を正式に伝える。
タイミング:
- 退職希望日の1〜2ヶ月前
円満退職のコツは、円満退職のコツが参考になるでしょう。
ステップ4: 受け取り方法の選択
一時金か年金かを選択。
選択時期:
- 退職前または退職時
考慮すべき点:
- 税金
- 今後の収入
- 資金ニーズ
ステップ5: 退職金の受け取り
指定口座に振り込まれる。
受け取り時期:
- 退職後1〜3ヶ月程度
- 会社によって異なる
受け取り方法:
- 銀行振込が一般的
ステップ6: 確定申告(必要な場合)
原則不要だが、一部必要なケースも。
確定申告が必要な場合:
- 退職所得の受給に関する申告書を提出していない
- 外国企業から受け取った
- 複数の会社から受け取った
退職金でよくあるトラブル7選

トラブル1: 退職金がもらえなかった
退職金制度がない会社も。
原因:
- 制度がない
- 勤続年数が短い(3年未満等)
- 試用期間中の退職
対処法:
- 入社前に確認
- 就業規則を確認
トラブル2: 計算方法が分からない
計算が複雑で理解できない。
対処法:
- 人事部に説明を求める
- 退職金規程を確認
- 計算根拠を書面でもらう
トラブル3: 思ったより少なかった
期待と実際の金額に差がある。
原因:
- 自己都合退職で減額
- 基本給が低い
- 会社の業績悪化
対処法:
- 事前に試算
- 退職理由を工夫
- 円満退職を心がける
トラブル4: 支払いが遅れている
退職後3ヶ月経っても振り込まれない。
原因:
- 会社の資金繰り
- 事務処理の遅れ
- 経営悪化
対処法:
- 人事部に確認
- 書面で催促
- 労働基準監督署に相談
トラブル5: 一方的に減額された
会社から突然減額を告げられた。
原因:
- 経営悪化
- 制度変更
- 懲戒処分
対処法:
- 理由を確認
- 就業規則を確認
- 弁護士に相談
トラブル6: 退職金が差し押さえられた
借金等で差し押さえられることも。
差し押さえられる場合:
- 債務の返済
- 税金の滞納
- 養育費の未払い
対処法:
- 債務整理を検討
- 弁護士に相談
トラブル7: 会社が倒産した
退職金が支払われない可能性。
対処法:
- 未払賃金立替払制度を利用
- 労働基準監督署に相談
- 弁護士に相談
未払賃金立替払制度: 国が退職金の一部(最大80%)を立て替えてくれる制度。
退職金を賢く使う5つのポイント
ポイント1: すぐに使わない
受け取ってすぐに使わないことが推奨されています。
理由:
- 冷静な判断ができない
- 無駄遣いのリスク
- 計画的に使うべき
最低でも3ヶ月は冷却期間を置くと良いでしょう。
ポイント2: 借金の返済を優先
まずは借金を返済することが推奨されています。
優先順位の目安:
- 住宅ローン
- 自動車ローン
- カードローン
理由:
- 利息負担を減らせる
- 精神的な安心
※ 個別の状況によって優先順位は異なります。
ファイナンシャルプランナーへの相談も検討しましょう。
ポイント3: 老後資金として確保
全額使わず、老後のために残すことが推奨されています。
目安の一例:
- 退職金の50%〜70%は老後資金
- 残りを住宅ローン返済等に
人生100年時代、老後資金の確保は重要と言われています。
※ 具体的な配分は個人の状況によって異なります。
ファイナンシャルプランナーへの相談をおすすめします。
ポイント4: 分散投資を検討
一部を運用して増やすことも選択肢の一つです。
運用方法の例:
- iDeCo
- NISA
- 投資信託
- 国債
重要な注意点:
- リスクを十分理解する
- 余裕資金で運用する
- 分散投資が基本
- 投資は自己責任
※ 投資判断は必ずご自身で行ってください。
不安な場合は、ファイナンシャルプランナーや金融機関に相談しましょう。
ポイント5: ファイナンシャルプランナーに相談
専門家のアドバイスを受ける。
相談内容:
- 老後資金計画
- 運用方法
- 税金対策
大きな金額だからこそ、専門家の助言を。
よくある質問Q&A
Q1: 退職金は必ずもらえますか?
いいえ。
退職金制度は法律で義務付けられていないため、制度がない会社もあります。
Q2: 勤続何年からもらえますか?
会社によって異なりますが、一般的には3年以上が目安。
短期間の勤務では支給されないことも。
Q3: 自己都合退職と会社都合退職で金額は変わりますか?
変わることが多いです。
自己都合は会社都合の60%〜80%程度になることも。
Q4: 退職金はいつ振り込まれますか?
一般的には退職後1〜3ヶ月以内。
会社によって異なります。
Q5: 退職金に税金はかかりますか?
かかりますが、退職所得控除があり優遇されています。
Q6: 退職金の平均額はいくらですか?
大企業で勤続30年の場合、約1,500万円〜2,000万円が目安。
ただし、会社規模や業種で大きく異なります。
Q7: 退職金は一時金と年金、どちらがお得ですか?
一般的には一時金が税制面で有利と言われています。
ただし、個人の状況(今後の収入、健康状態、家族構成等)によって最適な選択は異なります。
ファイナンシャルプランナーへの相談をおすすめします。
Q8: 転職したら退職金はどうなりますか?
勤続年数がリセットされ、転職先で新たに積み立て開始。
確定拠出年金は持ち運び可能。
Q9: 退職金がもらえない場合はどうすればいいですか?
まず就業規則を確認。
会社に問い合わせ、支払われない場合は労働基準監督署に相談。
Q10: 退職金の計算方法を教えてもらえますか?
人事部に依頼すれば、試算してもらえることが多いです。
まとめ: 退職金を正しく理解しよう

退職金の基礎知識について、重要なポイントをまとめます。
退職金制度の4つの種類:
- 退職一時金制度
- 企業年金制度(確定給付年金)
- 確定拠出年金(企業型DC)
- 中小企業退職金共済(中退共)
退職金の計算方法:
- 基本給連動方式
- 定額方式
- ポイント制
受け取り方法:
- 一時金で受け取る
- 年金で受け取る
- 一時金と年金の併用
退職金の税金:
- 退職所得控除がある
- 課税対象額は控除後の半分
- 非常に優遇されている
退職金を賢く使う5つのポイント:
- すぐに使わない
- 借金の返済を優先
- 老後資金として確保
- 分散投資を検討
- ファイナンシャルプランナーに相談
退職金は、長年の勤務に対する大切な報酬。
制度を正しく理解して、賢く受け取り、計画的に使いましょう。
退職のタイミングについては、会社を辞める最高のタイミングも参考にしてください。
退職後の手続きは、退職後の手続き完全ガイドで詳しく解説しています。
退職金だけでなく、失業保険も最大限受け取りましょう
退職金に加えて、失業保険も重要な収入源です。
失業保険は、正しい知識と手続きで受給額を最大化できます。
失業保険を最大限受け取るためのサポートサービスについて、転職×退職サポート窓口とはという記事でご紹介しています。
退職金と失業保険、両方を最大限活用して、退職後の生活を安定させましょう。
【免責事項】
退職金の制度や金額は会社によって大きく異なるため、具体的な内容については必ずご自身の会社の退職金規程を確認するか、人事部にお問い合わせください。
税金や資産運用に関する個別のアドバイスが必要な場合は、税理士やファイナンシャルプランナー等の専門家にご相談ください。
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