「残業しているのに残業代が出ない…」
「サービス残業が当たり前になっている…」
「みなし残業だから、何時間働いても残業代は同じ…」
こんな悩みを抱えていませんか?
実は、 残業代を支払わないことは、 労働基準法違反です。
あなたには残業代を請求する、 正当な権利があります。
この記事では、 残業代が出ない時の具体的な対処法を、 5つのステップで解説します。
法律を味方に、未払い残業代を取り戻しましょう。
残業代の基礎知識
残業代は労働者の権利
残業代(時間外労働に対する割増賃金)は、 労働基準法第37条で定められた権利です。
法定労働時間:
- 1日8時間まで
- 週40時間まで
これを超える労働は「残業」となり、 割増賃金の支払いが必要です。
残業代の割増率
残業の種類割増率時間外労働(平日)25%以上時間外労働(月60時間超)50%以上休日労働35%以上深夜労働(22時〜5時)25%以上
例: 時給1,000円×1時間残業 = 1,250円
残業代が出ない理由と違法性

よくある理由
①「うちは残業代が出ない会社だから」
→ 完全に違法です。
労働基準法は強行法規なので、 会社の方針で残業代を出さないことはできません。
②「みなし残業(固定残業代)だから」
→ みなし残業時間を超えた分は違法。
みなし残業制度自体は合法ですが、 超過分は別途支払う義務があります。
例: 月30時間のみなし残業で実際に40時間残業 → 超過した10時間分の支払いが必要
③「管理職だから残業代は出ない」
→ 名ばかり管理職なら違法。
真の管理監督者の条件:
- 経営判断に関与
- 出退勤の自由がある
- 十分に高い給与
④「年俸制だから残業代は含まれている」
→ 明記されていなければ違法。
年俸制でも残業代は別途支払う必要があります。
⑤「裁量労働制だから何時間働いても同じ」
→ 適用条件を満たさなければ違法。
裁量労働制は限定された職種のみに適用されます。
対処法1:証拠を集める
なぜ証拠が必要?
残業代を請求するには、 残業した事実を証明する必要があります。
集めるべき証拠
①タイムカード・勤怠記録
- 出退勤時刻の記録
- コピーまたは写真
②パソコンのログ
- ログイン・ログアウト時刻
- メール送信時刻
③業務日報・報告書
- 日々の業務内容
- 作業時間の記録
④給与明細
- 過去3年分
- 残業代の支払い状況
⑤雇用契約書・就業規則
- 労働条件の確認
- みなし残業の記載
証拠収集のコツ
- スマホで写真を撮る
- こまめに記録する
- メールは自分のアドレスに転送
注意: 会社のデータを無断で持ち出すと、 問題になることがあります。
対処法2:未払い残業代を計算する
計算方法
ステップ1:時給を計算
時給 = 月給 ÷ 月の所定労働時間
例: 月給20万円、月の所定労働時間160時間 → 時給1,250円
ステップ2:残業時間を集計
タイムカードから残業時間を集計。
ステップ3:残業代を計算
残業代 = 時給 × 1.25 × 残業時間
例: 時給1,250円×月30時間残業 → 1,250円 × 1.25 × 30時間 = 46,875円/月
ステップ4:過去の未払い分を合計
時効は3年(2020年4月以降)なので、 最大3年分まで請求可能。
計算ツールの活用
インターネットに、 残業代計算ツールがあります。
入力するだけで、 おおよその金額がわかります。
対処法3:会社に直接交渉する
交渉の進め方
①タイミングを選ぶ
- 繁忙期は避ける
- 上司の機嫌が良い時
②丁寧に伝える
「残業代について確認したいのですが…」
攻撃的にならず、 冷静に事実を伝えます。
③証拠を提示する
タイムカードのコピーなどを見せながら、 残業の事実を説明します。
④計算した金額を伝える
「計算したところ、〇〇円の未払いがあるようです」
⑤支払いを求める
「お支払いいただけますか?」
交渉時の注意点
記録を残す
- 面談の日時・内容をメモ
- できればメールで確認
感情的にならない
- 冷静に、事実ベースで話す
一人で行かない
- 同僚や労働組合と一緒に
対処法4:労働基準監督署に相談する
労働基準監督署とは
労働基準法違反を取り締まる、 国の機関です。
相談の流れ
①最寄りの労働基準監督署に行く
予約不要で相談できます。
②証拠を持参
- タイムカード
- 給与明細
- 雇用契約書
③状況を説明
残業代が出ない状況を説明します。
④指導・是正勧告
労基署が会社を調査し、 違法性が認められれば指導が入ります。
メリット
- 無料で相談できる
- 会社へのプレッシャーになる
- 匿名で相談できる場合も
デメリット
- 必ずしも動いてくれるとは限らない
- 時間がかかる
- 個別の金額まで取り立ててはくれない
対処法5:弁護士・労働組合に依頼する
弁護士に依頼
メリット:
- 法的な交渉ができる
- 裁判になっても対応できる
- 会社も真剣に対応する
デメリット:
- 費用がかかる
- 時間がかかることも
費用の目安:
- 相談料:無料〜1万円/時間
- 着手金:10〜30万円
- 成功報酬:回収額の20〜30%
無料相談: 法テラスや弁護士会で、 無料相談を実施しています。
労働組合(ユニオン)に依頼
メリット:
- 費用が安い(組合費のみ)
- 団体交渉ができる
- サポートが手厚い
デメリット:
- 裁判はできない
- 組合によって対応が違う
費用の目安:
- 加入金:5,000〜1万円
- 組合費:月1,000〜3,000円
内容証明郵便で請求する方法

弁護士に依頼する前に、 自分で内容証明郵便を送ることもできます。
内容証明郵便とは
郵便局が「いつ、誰が、誰に、どんな内容」を 送ったかを証明する郵便です。
メリット
- 会社へのプレッシャー
- 証拠として残る
- 時効を止められる
書き方(例)
令和〇年〇月〇日
株式会社〇〇
代表取締役 〇〇様
未払い残業代請求書
私は、令和〇年〇月〇日から令和〇年〇月〇日まで、
貴社で勤務しておりました〇〇と申します。
在職中、時間外労働を行いましたが、
その残業代が支払われておりません。
計算の結果、未払い残業代は合計〇〇円です。
つきましては、〇月〇日までに、
下記口座にお振込みいただきますようお願いいたします。
【振込先】
〇〇銀行 〇〇支店
普通 〇〇〇〇
〇〇〇〇
以上
よくある質問
Q1:在職中でも請求できる?
A:できます。
ただし、会社との関係が悪化する可能性があります。
Q2:退職後でも請求できる?
A:できます。
時効は3年なので、 退職後3年以内なら請求可能です。
Q3:証拠がなくても請求できる?
A:難しいです。
残業の事実を証明する証拠が必要です。 記憶だけでは弱いことがあります。
Q4:会社が倒産したら?
A:未払賃金立替払制度があります。
労働者健康安全機構が、 未払い賃金の一部を立替払いしてくれます。
関連記事をチェック
労働問題
- サービス残業 → サービス残業の違法性と対処法
- 長時間労働 → 長時間労働の実態と健康被害
- ブラック企業 → ブラック企業の見分け方
退職・転職
まとめ:残業代は必ず請求できる

残業代が出ない時の対処法を紹介しました。
5つの対処法
- 証拠を集める – タイムカード、メールなど
- 未払い残業代を計算する – 時給×1.25×残業時間
- 会社に直接交渉する – 冷静に、証拠を提示
- 労働基準監督署に相談 – 無料で相談できる
- 弁護士・労働組合に依頼 – 法的な交渉が可能
重要なポイント
- 残業代は労働者の権利
- 会社が払わないのは違法
- 時効は3年(最大3年分請求可能)
- 証拠が最も大切
まずやるべきこと
①証拠を集める
今すぐ始められます。
- タイムカードを写真に撮る
- 業務メールを保存する
②計算する
おおよその金額を把握。
③相談する
- 労働基準監督署(無料)
- 弁護士の無料相談
- 労働組合
泣き寝入りしない
残業代の未払いは、 労働基準法違反です。
あなたには請求する権利があります。
証拠を集めて、 正当な権利を主張しましょう。
あなたが正当な対価を受け取れることを、心から応援しています。
残業代未払いで退職する場合は会社都合になる可能性があります
残業代の未払いが続いている場合、会社都合退職として認められる可能性があります。
また、長時間労働(月45時間以上の残業が3ヶ月連続)も会社都合の条件に該当します。
あなたの状況を診断し、失業保険を最大限受け取る方法を提案するサービスについて、転職×退職サポート窓口とはという記事でご紹介しています。
まずは無料診断で確認してみましょう。
この記事は、一般的な情報提供を目的としています。個別の状況については、弁護士や労働基準監督署に相談してください。
あなたの労働環境が改善されることを願っています。

